ピアノのいちばん最初の思いで…
小生が初めてピアノに触れたのは、おそらく5歳ぐらいだったのかな?…確か近所のひろみちゃん家で見たんだ…当時は下町に住んでいて周りを見ても、ピアノなんか持ってる家はなかったんだ。
もう半世紀以上前の話…ここまで書くと何なんだと思うかも知れないけど勿体振っているんじゃなくて昔は似たような事実がいっぱい有ったんだ。
ひろみちゃん家は、美容室で、お父さんは地元の親分。家は私鉄の駅の真ん前にあってひろみちゃんのママもお父さんも、近所の子供逹にはとても優しく夏には、毎年花火大会なんかにも連れていってくれたんだ。
小生の父母は、「あんまり、ひろみちゃんと遊ぶんじゃないよ…」とよく言われたけれど、子供だからそれが何の意味かよくわからなかった。
そんな中、ひろみちゃん家に遊びに行くと黒い大きいピアノが有って、物珍しいものだからピアノの白鍵盤を人差し指で飽きずに鳴らしていた事を思い出す。
その後、しばらくして、ひろみちゃん家の前に引越しのトラックが止まっていて、ピアノをちょうどトラックに載せるところを見たんだ…それを見ているとひろみちゃんのママが気付いて「たけしちゃんひろみと遊んでくれてありがとうね。今度引っ越すことになったから元気でね。」と云って、ひろみちゃんもピアノも小生の眼差しから永遠に消えた…しかしそれは思い出として半世紀以上たった今でも、ピアノの最初の思い出として鮮明に残っている…
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