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今さらの、第一回国債ピリオド楽器コンクール

2018年秋に開催されたという第一回国債ピリオド楽器コンクール

 

「ショパン国際コンクール」主催ショパン研究所がポーランド独立100年記念ということからショパンが生きた19世紀当時のピアノ使用して新しいコンクール作ったということです。

 

今頃になって「ショパン・時の旅人たち』と題する番組で知ったという遅れ具合。

素敵なドキュメントでした。

ショパン演奏するならショパンが弾いていた楽器でこそ表現出来るということ。

本来のショパンコンクールがピアノメーカーの激烈な戦いの様子呈しているように思われ、今回のコンクール淡々と上品な佇まいの中行われていたように見えたのです。

 

 

演奏者で印象的だったのが、3年前のショパンコンクールでファイナル逃したロシア人女性のリベンジなるか?

日本人フォルテピアニストがどこまで食い込めるか?

 

 

イギリス在住のロシア人ピアニストのクリントンさん、演奏会だけで生活が厳しく指導もしているそう。今回自分さらけ出す演奏が出来たと笑みがこぼれていましたが、

ファイナル選出されず、

「この場所にもう居たくない、早く帰りたい」と嗚咽する姿にこちらまでもらい泣き。これから何目標にやって行くのだろう、生活大丈夫なのだろうか?他人事ながら気になって仕方がなかったです。

ところが、最後に流れたテロップに録音の大きな仕事が舞い込んだというので安心しました。

 

 

日本人の川口成彦さん。正直そうで飾らない朴訥な雰囲気の人。

「みんなうまくて・・・」などと他の演奏者誉めることしきりで、おまけに自分が演奏していていいのだろうか、って自信なさげ。

6年ぶりのコンチェルト!?

さらに最後の最後までピアノの選択に迷っていたのも心配。

 

コンクール出場経験多いピアニスト達の正攻法と違った切り口で、十代の頃生家で使っていたピアノを弾くという方向になるほどと感心。選んだピアノがブーフ・ホルツ。

 

ブーフ・ホルツの名前をきいたことがなくて驚き。ショパンといったら長い間プレイエルかエラールという認識。

余談ですけど、「ショパンが愛したプレイエル」

の音声に胸がキュッとなるんですねえ(笑)美しい音色と外観。

 

ところでブーフ・ホルツは鍵盤が細いそうです。練習もままならない状況で速いパッセージがバタバタになってしまったら目も当てられない。悩んだ結果、パフォーマンスより実質の演奏取って弾きなれたプレイエルに決めたのがファイナル前夜。

 

さて、ファイナルでのコンチェルトが終ると、お客さんから盛大な拍手。

なんと、優勝逃したものの入賞4名のうち3名のポーランド人の中での快挙でした。

 

 

ネットで川口さんを調べてみると、すごい経歴の持ち主でした。控え目なのですね。

自然体で誠実そうな人柄に好感持った視聴者も多いのではないでしょうか。

 

 

改良につぐ改良で現代のピアノ古楽器のフォルテピアノは。

これ以上進化が要らない最高の楽器ですが、ショパンの曲に似合うかというと?モーツァルトにもベートーヴェンにも?

繊細さが要求される古楽器のフォルテピアノに比べ、モダンピアノの音量は大きく会場の奥まで響き渡り、演奏家にとってタッチの調整もしやすいのでしょう。

 アマチュアでも弾く機会はその気になればいくらでもあり、いい時代です。